本日のビジネス日本語は、「企業別組合」です。
以前、日本的経営の特徴として、「終身雇用制」と「年功序列」を挙げましたが、もう一つ、忘れてはいけないのが「企業別組合」です。
欧米では、労働組合は産業別に形成されていますが、日本の組合は企業別となっているのが特徴的で日本独自のものとなっています。
では、なぜ、この「企業別組合」が日本経済を成長させる一因となったか。
それは、「企業別組合」の一番の目的が「企業の存続」、つまり、「労働者の雇用の確保」なので、労働者の待遇の改善だけを目的に無理な要求を会社側にしてこなかったからです。
そのため、会社側は組合の無理な要求に体力を削がれることなく、成長することができたという側面があります。
また、中には、組合の幹部を務めたことのある人間が会社の中でも出世するケースもあります。
それは、なぜか。
会社の事情を理解し、労働者を説得するという役割を担ったことが評価されたからです。
日本では、こういうバランスの取れた人材が評価されるんですね。